2026年8月13日
実家を売るとき、片付けは「ほどほど」でいい
「まず家の中を片付けて、それから売りに出そう」。まっとうな順番に聞こえます。そして、この順番で考えた人の多くが、1年後も片付けの途中にいます。40年分の家財は、週末の帰省で片付く量ではないからです。
買い手は、きれいな家を求めていない
中古戸建ての買い手の多くは、リフォームか建て替えを前提に見ています。買った瞬間に壁も床もやり直すつもりの人にとって、畳の日焼けや残った家具は、値段を左右する要素ではありません。家財が残ったままでも査定はできますし、「残置物の撤去費用は見積もりに織り込んで、そのまま引き渡す」という取引も、実務ではふつうに行われています。
つまり、順番が逆なのです。片付けてから値段を知るのではなく、値段を知ってから、必要なぶんだけ片付ける。売り方が「更地にして売る」に決まれば、家の中の片付けはほぼ不要になることさえあります。
先に確保するのは、この5つだけ
- 権利証(登記識別情報): 売却の手続きで使います
- 実印と印鑑登録証明書
- 通帳・保険証券・年金関係の書類
- 写真・手紙・形見の品: あとから業者の袋の中を探すことはできません
- 鍵一式: 勝手口、蔵、車庫。意外と揃っていません
これだけ確保すれば、残りはぜんぶ業者に任せられる状態になります。全部を自分の手で仕分けたい気持ちは分かります。ただ、それをやり切れる人は少なく、やり切れないまま家が傷んでいくのがいちばん惜しい。
片付け業者の相場感
物量と間取りで大きく変わりますが、1DKで5〜15万円、一軒家まるごとなら20〜60万円あたりが目安です。必ず2〜3社から相見積もりを。買取を併用してくれる業者だと、骨董や家電のぶんが差し引かれて安くなることがあります。
見積もりの際は「貴重品の捜索もお願いしたい」と伝えておくと、権利証や通帳が出てきたときに取り分けてもらえます。
値段を知るのは、タダです
売ると決めていなくても、査定は受けられます。実家がいくらになりそうか。その数字がひとつあるだけで、きょうだいとの話も、残す・手放すの判断も、急に具体的になります。片付けを始める前に、まず値段。この順番だけ覚えて帰ってください。